db tech showcase Tokyo 2019 D10 Session後半

2019年9月25日(水)26日(木)27日(金)の3日間に渡り秋葉原UDX カンファレンスにて開催される db tech showcase Tokyo 2019内で、 JPOUG SPECIAL SESSIONとして 26日(木) 16:00 – 16:40 D10 Session:DB(データ管理)*1 の後半でお話します。
前半で篠田さんが「Oracle Database 18c/19c辛口新機能解説」を話し、後半で わたしが「Oracle Databaseバージョン選択における考察’19」を話します。

さて、Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1) for Linux x86がダウンロード可能になったのは 2009年9月1日。*2 *3 10年前の今日ですね。
あくまでも想像ですが、全世界の Oracle Databaseの中で、このリリース 11.2の最終リリースである 2013年8月28日から順次リリースされたOracle Database 11g Release 2 (11.2.0.4)が現在最も多く利用されているリリースかと思います。
いわゆる「リリース 2神話」かつ「最終パッチセット信仰」*4が未だ根強く。リリース12.2と18と19を12.2リリースファミリーと呼ぶことも定着しておらず。その12.2リリースファミリーの長期サポートリリースであるリリース19 ―― Oracle Database 19cがダウンロードできるようになってから まだ日が浅いため *5
世界的に、Oracle Database 19cへアップグレードする検討が始まったばかりではないでしょうか。

このような現状と想定し、昨年来、Oracle Databaseバージョン選択における考察'18 - wmo6hash::blogもし師走に『Oracle Databaseバージョン選択における考察’18』を創るなら - wmo6hash::blog2019年のOracle Databaseバージョン選択肢 - wmo6hash::blogと このブログに投稿している内容や、Oracle Databaseを中心とした座談会’19 – Oracle Code Tokyo 2019 #codetokyo19 #jpoug - wmo6hash::blog を行う上での様々な議論、熟練技術者のみなさまとの日々の たくさんの出会いの中で得られた素朴な意見、新しく Oracle Databaseを使い始めた方などとの談話の中で得られた新鮮な感覚、そして変わり続ける様々なプラットフォームおよびサービスや接続するアプリケーションの状況等を踏まえて、わたしの新しいバージョン選択における考察を発表します。

ご興味のある方は、db tech showcase Tokyo 2019|EventRegist(イベントレジスト)から登録して、ぜひ参加してください。


なお「もう Oracle Database 19cのみ使ってるよ !」という方がこの投稿を読んでいただけたのなら、なぜそれが可能なのかのコツやヒントなどを本投稿へコメントしていただけると幸いです。もちろん、今後の JPOUGのイベントでじっくりお話いただくのも歓迎します。

*1:db tech showcase 2019 | db tech showcase & db tech showcase Tokyo 2019 | Japan Oracle User Group (JPOUG)

*2:Oracle Database 11g Release 2 (11.2) Installed inhouse - wmo6hash::blog

*3:Oracle Database Software Downloads | Oracle Technology Network | Oracle から未だ10年前と同一のバイナリがダウンロードできます

*4:products.xmlにPATCHSETが含まれていたのは11.1.0.7パッチセットが最後です。参考: Real World Oracle Database Patching Terminology

*5:2019年2月14日 Oracle Database 19c for Oracle Exadata via Oracle Database 19c Now Available on Oracle Exadata 、2019年4月26日 Oracle Database 19c for On-Premis Systemsのうち Linux x86-64 via Oracle Database on Twitter: "Oracle Database 19c is Now Available on Linux. Find out more here #OracleDatabase https://t.co/rGkWzkmikr… "Oracle Cloud Databaseサービスはその後順次。Oracle Cloud Databaseサービスの一部は現在もプレビュー中 via 8月20日開催 Oracle Database Technology Night⭐️ - Togetter

Oracle ACEとしての10年を超えて

2009年8月25日、「Oracle ACEでもあります」と初めてご紹介いただきました。*1 この紹介にあたって、『講演は「君もOracle ACEになろう」で〆てくださいね。』みたいな文が最終行に書かれたメールを受信していることに気が付いたのは数日前 ーー 元々の講演依頼にはなかったし。私個人に講演依頼があったわけじゃなかったのに。
上司に相談したら、やつぎばやに『そりゃぁそうでしょう。何言ってんの。自覚がないな。要望に応えて。宿命。しっかりやってください。』とのお言葉をいただき。
ぐっとこらえて。他のメンバーの方も多かれ少なかれ「無茶に応える輪が Oracle ACEなんだろう」と自分を納得させ、その講演に臨み。
〆は「技術者が もっと外に出られるようにしてあげてください。そうしたら更に伸びます。」との「武者修行のススメ」にしました。

あれから10年、武者修行を続け、今も わたしは Oracle ACEのメンバーです。 *2
日々、様々なご支援をいただいている方々には深く感謝いたします。
今後ともご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます。




2019年8月25日現在、 Oracle ACE Directory には、 722名の登録があり。Groundbreaker AmbassadorとJava Championの方々を除くと、Oracle ACE Associateは139名・Oracle ACEは199名・Oracle ACE Directorは98名。日本に限ると Oracle ACE Associate 3名・Oracle ACE 7名。この7名の中で、私と同じ Expertise: Database Management & Performanceは、4名。この4という数自体は、私が登録される前、つまり10年前と同じです。先達と、武者修行を共にする同士へ敬意を表して。

*1:サポートエンジニアの事実と真実 | Oracle Technology Network Japan Blogおよびインタビュー:日本ヒューレット・パッカード株式会社 諸橋 渉さん - YouTube の時

*2:Become an ACE記載の“Maintain a consistent level of activity”が認定の判断基準です。審査は、Oracle ACEとは - wmo6hash::blogを書いた頃と違い、厳密には12ヶ月単位ではありません。2019年5月中旬に、2018年6月1日から2019年5月31日分の活動を審査されました。
認定証明: https://apex.oracle.com/pls/apex/f?p=ACES:DIRECTORY:::::SEARCH:Wataru+Morohashi

“「Cloud-Native Relational Databases」と かけて「Oracle Database」と解く。その心は「……」” - JPOUG in 15 minutes #8

JPOUG in 15 minutes #8内で、私が みなさんと行った“「Cloud-Native Relational Databases」と かけて「Oracle Database」と解く。その心は「……」”のふりかえりです。

はじめに

会場入り後、刻々と体調が悪くなり、意識が朦朧としている中で話しました。きっと輪をかけて話がわかりにくい状況でした。参加してくださった方々には、たいへん申し訳ありませんでした。
運営にあたる方々へも、ご迷惑をお掛け致しましたことをお詫びいたします。
そんな状況下において、真摯に耳を傾けてお聴きいただいた方々と的確なコメントをしてくださった方々へ感謝いたします。

セッション要約

CNCFの定義における「もたらすもの」と「実現するための抽象的な技術要素」に着目し、「何がCloud-Nativeか」を仮定しました。
「何がリレーショナルデータベース管理システムなのか」を仮定しました。
Database in CNCF Cloud Native Interactive Landscape には様々なデータベースがあるものの、Trail Mapには Vitessひとつ。ひとつのみでは、Databasesではありませんよね。

一方で、パブリッククラウドでは、各種のフルマネージドなデータベースサービスがあります。
それらの中で、先に説明したクラウドネイティブの定義で最も重きの置かれると思われるスケールアウト・インの容易さ度合いを明示しました。
これらに違和感がないかを会場のみなさんに確認しました。
その中の3つに触れている Socrates: The New SQL Server in the Cloudに記載されている特徴は、「Compute と Storageが分離し、それぞれが別々に拡張可能」です。
これを満たしているものは、Cloud-Native Relational Database Servicesとして良いと仮定しました。その満たしているもの、Amazon Aurora、Azure SQL Database Hyperscale、Oracle Real Application ClustersベースのOracle Cloud Database Servicesを並べてアーキテクチャの図示にて確認しました。

ここまでのお話をまとめると“クラウドネイティブなリレーショナルデータベースとは、Compute と Storageが分離し、それぞれが別々に拡張可能。フルマネージドのデータベースサービスなら、Oracle Real Application ClustersベースのOracle Cloud Database Servicesと、Amazon AuroraとAzure SQL Database Hyperscale。”になります。
そして、これまで明示した全ての特徴を踏まえ、Oracle Databaseがクラウドネイテイブなリレーショナルデータベースかどうかと問われたならば ーー 「Oracle Database for on-premis systemsも、Oracle Real Application Clustersかつ構成によってはクラウドネイテイブリレーショナルデータベース」が結論です。

その後、この内容に対して、その場におられた著名なデータベース技術者の方々からコメントをいただきました。
会場内でも、いくつかご意見をいただきましたが、ご意見は、このツイートに尽きます。よって、この考察は、ひとつの解釈として特におかしくはないものと判断しています。

補足

一旦ひとつの解釈を形にした試みと捉えていただけると幸いです。Oracle Databaseをあえて避けて解釈するのは不自然だから、何かしらの解釈を示しました。それだけのことです。
この話で触れた Vitessは @cotoc88さん、その他に今回はあえて触れなかった Database on Kubernetes の話は @tzkbさんが、積極的に様々な情報を発信されています。これらに ご興味のあるかたは、このお二人からの情報を追いかけてみてください。
なお、Kubernetesで容易に扱えるDatabaseや、Public Cloudの DBaaSは、これから更に増えます。それらの中で何が本質的にクラウドネイテイブなリレーショナルデータベース管理システムなのかは、みなさん自身で見極めてみてください。

また、こんな話だったら、「むずかしく考えずに、ここを読むといい」といった情報がありましたら、本投稿へコメントしていただけると うれしいです。